ウルシの木の樹液は漆器の塗料になる「漆」です。
一方、ウルシの木には 秋になると小さな実が沢山なります。実の中の種はロウに包まれています。そのロウを絞り出してロウソクを作ります。
つまり、漆器とロウソクは、同じウルシの木から生まれた二種類の成分が 原料となった双子の産業なのです。
中世から戦国時代にかけて、漆蝋で作られた会津のロウソクは高級品として知られていました。
ところが、江戸時代に入って、九州や四国でハゼロウの栽培が盛んになります。ハゼはウルシの近縁種ですが実が少し大きく、収量が多くなります。そのため、次第にウルシロウの競争力が落ち、付加価値を付ける対策として始められたのが絵ロウソクです。
一方、漆は縄文時代から使われており、中世に地元で作られたと思われる仏具や位牌が残されていますが、他所へ移出して対価を稼ぐ産業にはなっていませんでした。良く知られているように、近世に入り、蒲生氏郷の産業化政策によって産業としての漆器業が始まったのです。
膨張する江戸を最大消費地する事で、会津漆器は藩の重要産業となって行きます。それだけに他地域との競争も熾烈でしたが、寛政改革期の新技術導入などにより、幕末まで「御国産第一の品」の地位を保ちました。
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会津塗の工程と主な技法、用具など