器の表面全体に消粉を蒔き詰めたものを消金地といいます。
全国でも会津以外ではほとんど行われていない技法です。
(※ 京都、彦根などでも、仏像や仏壇の一部には使用されています)
(1)摺漆(すりうるし)
釦漆(いっかけうるし)と呼ばれる会津独特の粘り気の強い漆を使用します。
消金地を施す面に釦漆を綿で薄く摺り伸ばします。
余分な漆をふき取り生乾き状態になるまで乾燥させます。
(2)消粉蒔
セーム皮(スエード状のなめし皮)で作ったタンポで消粉を蒔きつけます。
(3)摺漆
漆が十分硬化し消粉が定着したところで更に漆を摺ります。
余分な漆をふき取り生乾き状態になるまで乾燥させます。
(2)で蒔いた消粉をコーティングしつつ、二度目に蒔くの消粉の接着剤になります。
(4)蒔き返し
もう一度消粉を蒔きます。
ムラの無い仕上がりになります。
(5)摺漆(粉止め)
最後に透けの良い漆で摺漆をします。金粉を固定し表面をコーティングする役割です。数回摺漆を重ねる場合もあります。
(6)仕上がり
消金地の盃が出来上がりました。金地の上に更に蒔絵を描く事も出来ます。
● 金箔貼りにくらべ金属的な感じが薄く、落ち着いた柔らかな質感に仕上がります。
● 消粉の上を漆でコーティングしていますので、その上に更に蒔絵を描く事が出来ます。消金地のややマットな質感が蒔絵をより引き立てます。
● 消金地は、盃やぐい呑みなどに良く用いられますが、お酒を注ぐと独特のきらめきが見られる点も魅力です。
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会津塗の工程と主な技法、用具など