錦絵は会津漆器の代表的な図案のひとつです。あたかも華麗な錦織を思わせるところから、錦絵と名付けられました。
日露戦争と大凶作による不況を材料費を抑えてデザイン力で克服する努力がなされました。
錦絵と菊桐朱磨(後述参照)は、そのために開かれたコンテストの入選作で、三瓶忠平の作と伝えられています。
日露戦争終了直後の明治38年10月に開催された第1回意匠会(工業学校校内で開催)の時であろうと考えられます。
画面を大胆に雲形で大きく区切り、全体に大小の吉祥文様を散らした賑やかな図案です。吉祥文様は松竹梅の他、鳳凰や宝珠、牡丹や小判、糸巻きなど、縁起物を自由に組み合わせており、様々なパターンがあります。
技法は、消粉蒔絵と色漆による漆絵の併用が一般的です。
戦前に良く描かれた錦絵
大胆に塗り分けた雲形に、牡丹、浮線綾、八吉祥、糸枠?、鳳凰、宝珠、分銅、小判の吉祥文様を色漆と消粉蒔絵で描いています。
松竹梅の錦絵
戦前の黒と朱の塗り分けを踏襲し、松竹梅と亀甲鶴を描いたバージョンです。
津田祐作氏デザインの錦絵
昭和30年代半ばに蒔絵デザイナーの津田祐作氏が弊店のためにデザインしたバージョンです。
朱の雲形を朱磨にすることで、色味を抑えた現代的デザインになっています。
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会津塗の工程と主な技法、用具など